新生活、ニートはじめました。
今日はアイドルではなく超絶プライベートな話をします。
私が最近はじめたニートになるまでの話です。
2017年4月1日。
私は新卒採用で某企業に就職しました。
「ここに決めて入社したからには、私はここに骨を埋めるつもりで勤める!」
そのぐらいのつもりで本社の門をくぐりました。
今でもその気持ちは嘘ではなかったと思うし、なんなら1月までは間違いなくその気持ちを持ったまま働いていました。研修、本配属で駆け抜けた1年間、いや9か月。
仕事自体は絶好調で、会社の人からの評判もそんなに悪いほうではなかったと思います。年末もなにも残さず休暇に入りました。
1月に入って少し体調が悪く感じました。頭痛はしないけどとにかく熱っぽくて身体がだるい。誤魔化してしばらく働いていたけど急にだるさが悪化し、インフルエンザが流行していたこともあって半休をもらって医者に診てもらうことにしました。
しかし検査結果は何も出ず、出された薬は漢方だけ。翌日も症状は変わらずそのまま土日を迎えて月曜日、やはり身体が重い。
その時私は少し立て込んだ仕事を受け持っていました。小さなトラブルが多く、休みの間も仕事の連絡を取っていました。身体はだるくなっていく一方。私がいないことでトラブルは続く、でも明日には復帰したい、という気持ち。動かない身体。
「新卒なのに、新人なのに仕事を休んでしまった」「きっとよく思われない」「たいした風邪でもないのに欠勤だなんて」「最近の若いのはすぐ休むと思われてしまう」「また先輩や同僚に迷惑をかけてしまう」「またお客さんにも迷惑をかけてしまった」「最近の若いのはすぐ泣くって言われる」「最近の若いのは」「最近の若いのは」
ずっと同じ言葉が頭をリフレインして涙が止まらなくなりました。
今までも泣きながら寝ることはあったことだから、きっと今泣いていても寝れば忘れるし、仕事にもいけるし、大丈夫だと思っていました。思うことにしていました。
大丈夫、大丈夫。
無理やり眠りについた次の日、起き上がっても涙は止まりませんでした。
「なんで涙が止まらないんだろう、早く会社に行って全て終わらせたい」
という気持ちと、
「仕事に行きたくない、泣いていたら行かなくてもいいんじゃないか」
そんな情けない気持ちがどこかにあったと思います。
結果、家を出る時間になっても涙が止まらずにいたので泣きながら上司に連絡をして、すべて話しました。その時の私は必死でした。「まだ働きたい、こんなところで仕事をやめたくない、これ以上迷惑かけたくない、なのに身体が動かない」と。
上司も、会社も、相手のお客様もみんなみんないい人でした。周りからも私の担当客はみないい人が多くて恵まれていると、そういわれるくらいで、そこにストレスなどないつもりでした。でもきっといつしかいい人だからこそ誰からも嫌われたくないと思うようになって少し無理をしていたように思います。
なんやかんやと引継ぎをしながらその週はお休みをすることになりました。
仕事のことを考えると涙が止まらなくなり、歩く速度が遅くなりました。
少し動くとあり得ないほどの疲労感を覚え、たまに心臓がツキツキ痛みます。
疲れているから他のことをしていないとまたネガティブなことを考えてしまい涙が止まらなくなる負のループ。今もその症状は続いています。
「それでも戻って前みたいに働きたい」
ずっとそう思っていました。本心ではありましたが、言い聞かせるみたいに頭で繰り返しました。
次の週、鉛のような体を動かしてどうにか話をするために出社をすることになりました。上司には「働きたい」という気持ちを伝え続けました。
そのバックアップを全力でしてくれると、そういってくれました。
とにかく今は今後のキャリアのことを考えて、あまり人事には知られないほうがいい、という判断で遅刻してもいいから出社をすることになりました。(もちろん休職を考えたときはすぐに人事に知らせることになっていました)
それから一週間、いつも通りの時間に目が覚めても遅刻せず出社できたことはありませんでした。身体はどんどん重くなっていきます。次第にいやなフレーズが頭に浮かんでしまいました。
「こんなに疲れるなら、もう仕事なんてやめてしまったほうがいいんじゃないか」
そう考えてしまった私は次の日、会社を嫌いになる前に、働くことが嫌になる前に休んだ方がいい、と判断して休職を願い出ました。
私の場合勤続年数が1年に満たなかったので休職は与えられず、年度末まで欠勤として様子を見るということになりました。
ほぼ1ヶ月会社から離れて過ごして、なぜこうなったのかをゆっくり考えることにしました。産業医との面談もあるので仕事のことを考えないのは無理でした。
他の同期に比べて私は残業も少ない方だったからそんな風に思ってはいけないし世の中こんなものか、通勤時間が少し長いけどみんな耐えていることなんだよなぁ、平日なんにもできないのはイヤだけどこれは普通のこと、日曜は次の日疲れるから夜は家にいたい、今やっている仕事はやりたいことじゃないけど仕事なんてやりたいことができるわけではない、もっと自由に生きてみたい、とか。見返したら、そんなことをポツポツとツイートしていました。働いているときも泣いているときも全部その時の気持ちなんて忘れていました。Twitterやっててよかった。
仕事をしたかったのは嘘じゃない。耐えなきゃいけないことも世の中からしたらきっと間違ってない。
でも少なくとも働いていた時の私は「今日一日が早く終わればいいのに」と思いながら目を覚ましていた。それを思い出しました。
結局私の症状は復職できるほどには治せず、退職をすることになりました。
同部署の人はどうにか引き留めようと一緒に考えてくれましたが人事はタイムアップですと言わんばかりの対応でした。会社にとって自分ってそんなものだったんだな、と改めて思い知らされました。必死になっていたのがバカみたいだ。
私は私のために勤めるべきで、会社のために勤めるべきではなかった。
私は私のために生きるべきだし、誰かのために生きるべきではない。
そしてそれは誰も望んでない。
自分を守れるのは自分だけなんだと、そう確信しました。
そして2018年4月1日、世の中に張り出される新生活という文字を、何の肩書きもなく迎えることになりました。生まれてきて一番新しいと思える生活です。
少しずつよくなってきてはいますがまだ涙が止まらなくなったり身体が動かなくなったりすることが断続的にあります。完全に治るものなのか、付き合っていくべきものなのか、まだわかりません。とりあえず、今は家族の力を借りてまずは休養を取ることに専念しています。
誰のせいでもなく、自分のせいです。
自分が勝手に追い込んだことであり、こうなったことは誰が悪いとかそういうことではありません。自衛できなかった自分に問題があります。
それに気づいて自分を変えるきっかけをもらえたことで少し成長できたのではないかと思えるようになりました。
だから前の会社のことは好きです。
退職が決まった時には休職しなきゃよかったと思った事もありましたが、
完全に嫌いになってしまう前に決断ができて、自分の判断は間違ってなかったと自分を肯定してあげられるようになりました。
きっともう勤めることはないけど、トラウマにはならないと思います。
今、思えば。
今の世の中転職は悪いことじゃない。少しでも違和感を覚えたら、身体を壊す前に、心を壊す前に、動けるうちにもっと早く転職を考えるべきだった。それは少し遊ぶ時間を削ってでも。今ではそう思います。
もし、今同じ状況にいる人がいたら、一旦足を緩めてみるのもいいと思う。
一生懸命走るのはいいことだけど、自分のことをちゃんと見てみるのもいいと思う。
心身を壊してから復帰するのにはかなりエネルギーがいるし、かなりスタートダッシュが遅れるように思います。そうなる前に。走っているうちに。クールダウンするのも悪くないと思うんです。
でもその時って必死だからむしろ辞めちゃいけないって思っている。思い込んでる。
だからそういう人をみたら少し声を掛けて、真剣に一緒に考えてあげてほしい。
余裕が少しでもある人が手を差し伸べてあげてほしい。
「1年も働いてないのに情けない」とか「根性がない」とか。
「そんなの誰しも耐えてきた道でしょ」とか。
これを読んでそう思う人も、鼻で笑う人もいると思います。それでいいです。
やかましいです。根性ないです。悪いですか。わからないですよ、こうなったことがない人は。幸せですね。それでいいじゃないですか。うらやましいですね、私には無理でした~!すごい重圧に耐えてお仕事頑張られてるんですねぇ~!すごぉ~い!そう言ってほしいですか。耐えられなかったから悪いとか、そんな風に思うならそれで結構、攻撃してこないでください。あなたと違って繊細なので。
そう思ってたけど、そう突っぱねてやっていけるほど強くなかったな、なれたらよかったな。
最後に、前の会社、嫌いではないですがただ一つ。
早く歯医者に行きたいので離職票を送ってほしい。
それだけ思っています。歯がいてえよ。